1. 全体像:人手不足5.5万人に対するアプローチ
2028年度に予測される物流倉庫の5.5万人の人手不足に対し、政府は外国人材だけに頼らない3本柱の対策を掲げています。
| 対策区分 | 補う人数 | 全体に占める割合 | 主な取り組み内容 |
| ① 生産性向上(DX) | 約20,300人 | 36.8% | WMS(倉庫管理システム)などの活用・機器連携 |
| ② 国内人材の確保 | 約16,500人 | 29.9% | 女性や高齢者の積極登用・起用 |
| ③ 外国人材の受け入れ | 約18,300人 | 33.2% | 特定技能1号(1.14万人)+育成就労(0.69万人) |
2. 外国人材(育成就労・特定技能1号)の受け入れ概要
従来の技能実習制度に代わり、人手不足の解消と人材育成を目的とした「育成就労制度」が2027年4月1日よりスタートします。
- 受入見込数(2026〜2028年度):計 18,300人
- 特定技能1号:11,400人(3年間)
- 育成就労:6,900人(2027年度からの2年間)
- ※現時点で「特定技能2号」は対象外
- 対象業務:受発注・入出庫の受け渡し、検品、貨物移動、格納、ピッキング、流通加工 など
- 必要言語要件:
- 育成就労:就労前に日本語能力A1相当以上(試験合格または講習受講):N5レベル
- 特定技能1号:技能評価試験合格 + 日本語能力A2相当以上 :N4レベル
3. 受け入れ企業の必須要件(上乗せ基準)
単に人を雇うだけでなく、受け入れ事業者には国土交通省が定める独自の条件(上乗せ基準)が課されます。
- WMS(倉庫管理システム)等の導入・運用
- 「入庫管理」「在庫管理」「出庫管理」の3機能を持つ情報システムの利用が必須。
- 製品名が「WMS」である必要はなく、上記3機能があれば自社開発やクラウド利用でも可。
- 生産性・労働安全衛生向上のための機器・システム連携
- WMSと連携し機能を拡張する機器やシステムの利用が必要(例:ハンディターミナル、自動搬送ロボットなど)。
- 実際の利用状況は「分野別協議会」にて確認が行われます。
4. スケジュールと育成のステップ
- 2024年9月1日〜:育成就労計画の認定申請受付スタート(OTIT)
- 2027年4月1日:育成就労制度が正式施行
【育成と評価の流れ】
- 就労開始前:日本語能力(A1相当以上)を確認
- 1年経過時:「物流倉庫分野育成就労評価試験(初級)」で技能確認
- 3年終了時:「物流倉庫分野特定技能1号評価試験」で技能確認(特定技能1号へ移行)
まとめ
物流倉庫での外国人材受け入れは、単なる労働力の補填ではなく「WMSによる庫内業務のデジタル化」と「段階的な人材育成」をセットで進めることが法的な条件となっています。現場のデジタル化・システム整備が、外国人材受け入れの第一歩となります。
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